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大形高精度加工機MVR・Fx ゼロへの挑戦 その真意に迫る

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ゼロへの挑戦 その真意に迫る

大形高精度加工機MVR・Fxのコンセプトである「ゼロへの挑戦」には、段差ゼロ、形状誤差ゼロ、手仕上ゼロ、という3つの挑戦が含まれています。

金型製造現場における課題から見定めたこれら3つの挑戦が、MVR・Fxにどのように織り込まれているか、紐解いていきましょう。

その1 段差

段差イメージ
■ 段差イメージ
撮像式工具長測定システム
■ 撮像式工具長測定システム

金型加工面の段差は、手間の掛かる問題です。製品成型時に転写されたり、割れやシワの原因になることもあるため除去する必要があるのですが、主に手仕上によって磨き去らなくてはならないのです。
金型には曲がり角やカーブが多く、手仕上には手間ひまがかかります。また、板金プレス用金型には鋳物が使用されることが一般的ですが、自動車構造部品(インナーワーク)などのハイテン材を成型するプレス用金型は、ダイス鋼などの硬い材料が使用されることから、磨きにさらに時間が掛かります。

そんな憎き段差の多くは、加工中に工具交換を行うとき、元々加工していた工具刃先位置と、交換後の工具刃先位置がズレることによって発生します。

そこでMVR・Fxは「撮像式工具長測定システム」の搭載を可能にしました。このシステムでは、工具を回転状態でCCDカメラの視野内にアプローチさせ、LED照明を当ててできる影を撮影することにより刃先を捉えます。ただ測定するだけでなく、機械・工具ホルダ・工具の姿勢が安定したことを確認してから、加工に入ることができます。
工具交換時に「撮像式工具長測定システム」での測定を行うことが、段差の解消につながるのです。

その2 形状誤差

製品には、用途やコンセプトに関わる”肝”とも言うべき形状ポイントが存在します。これを成型によって実現するために、金型設計には様々な工夫が凝らされています。しかし設計ののち、金型を加工や手仕上していく中で、わずかに形状がズレてしまうことがあります。このズレがあると、成型試作と、機械加工や手仕上による修正とを繰り返して、意図した形状に近づけていく必要があり、大変な手間が掛かります。

加えて、昨今この「形状誤差」解消に対する期待は高まりつつあります。従来のタッチセンサーでは難しかった3次元自由曲面の測定が、非接触光学式3次元デジタイザの登場により可能となったためです。

形状誤差イメージ
■ 形状誤差イメージ
主軸内部冷却
■ 主軸内部冷却

では、なぜ形状誤差が生じるのでしょうか。
大きな原因は、熱です。加工中に主軸モータやベアリングで発生する熱による主軸Z方向の伸び、気温などの変化による機械本体の姿勢変位により、ワークと刃先の相対位置が変化することによって、意図したように加工ができていないのです。

そこでMVR・Fxには、「主軸内部冷却機構」を組み込みました。主軸ジャケット部だけでなく中心部を冷却、さらに特殊ジェット潤滑でベアリングも冷却することで、剛性が高く、かつ熱変位を防いだ機構となっています。また機械本体にも工夫が。人気の門形五面加工機MVR・Exから採用している「サーモスタビライザコラム」を取り入れ、気温変化の影響を受けにくくしています。
これら機構の効果として、MVR・Fxで加工した金型モデルの3次元計測を行ったところ、デザイン形状との形状誤差が±20μm以内に収まっていることが確認できました。

金型モデル
■ 金型モデル(当社工場で展示しています)

その3 手仕上

手仕上は、これまで見てきた、段差や形状誤差といった問題に対処する場面でも必要となっていました。段差や形状誤差を解消する以外に、どうすれば手仕上を減らすことができるでしょうか。

その一番の方法は、加工面品位を向上することです。具体的には次のようなことが考えられます。
①隣り合う加工パスの幅を狭くすることによって、よりきめ細かい表面にする。
②加工パスのふらつきを防ぎ、予期しない加工面への工具食い込みや揺らぎを防ぐ。

①②ともに、加工プログラムの作り方だけでなく、プログラム指令通りにきちんと機械を駆動させることが大切です。
MVR・Fxは、高い剛性を持つコラム・クロスレールがわずかな振動も増幅させないことで、加工パスのふらつきを防いでいます。さらに、運動精度を高めるために、ボールネジ駆動にも工夫をしています。

ゼロギャップドライブシステム
■ ゼロギャップドライブシステム

まず、重いワークを移動させるX軸は2本のボールねじで剛性をもたせ、かつテーブルのヨーイングを防ぎます。

さらに、通常であれば1本のボールねじに対し1個のギヤモータを連結し駆動させるところを、「ゼロギャップドライブシステム」という、ボールねじの両端にサーボモータを直結させる機構を採用しています。
これがバックラッシの発生やボールねじのねじれを予防しており、正確な加工パスを実現しています。

さいごに

段差、形状誤差、手仕上…金型製造におけるこれら3つの課題を真摯に分析し、必要となるアプローチを織り込んだ結果として、MVR・Fxが誕生しました。MVR・Fxの特色ある機能・構造が、金型加工の質を高めるうえで重要な意味を持つことをご理解頂けたのではないでしょうか。

ご興味をお持ち頂けましたら、是非、工場見学にて実機をご覧頂けますよう、ご検討ください。

印刷用:加工技術トピックス 「大形高精度加工機MVR・Fx ゼロへの挑戦 その真意に迫る」(PDF/767KB)

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